ホームヘルパーによくあるトラブル

近年、高齢化社会が急速に進んでおり、そうした流れの中で介護サービスも多様化してきている。
いろいろなサービスがあるが、その中でも特にニーズが高まっているのが、介護士が自宅に訪問するホームヘルパーだ。住み慣れた我が家で老後を過ごしたいという人は多く、訪問介護事業所は各地で増設の動きをみせている。

しかし、そんなホームヘルパーの仕事は、けして楽なものではない。いろいろな価値観を持つ人と関わることになるため、人間トラブルに巻き込まれることもしばしばあるだろう。

例えば、気に入らないとすぐに怒鳴り散らしてしまうなど、ヘルパーに対して常識的なコニュニケーションが取れない利用者も存在している。
何人派遣しても他の人に代わるよう要求してくる場合もあり、こちらがどう対応しても、その理不尽な要求が終わることはない。ただ横暴な態度でストレスを発散したいという理由だけで迷惑行為をしてくるモンスターもおり、こうしたケースはどう対処してもあの手この手で不満をぶつけてくるものだ。

こういった場合は、ヘルパー本人や事務所全体に不満が渦巻くことになる。介護業界は、こうした迷惑な利用者への対応を困難事例としており、その対応に苦戦している。

しかし実際のところ、利用者がホームヘルパーに辛くあたる背景には、こじれた家族関係や、思うように動けない自分に対するいらだちなどが関係していることが多い。

ヘルパーが個人の問題に深入りすることは難しく、さらに人の心はデリケートであるため、そうした気持ちを解きほぐすことは難しいだろう。しかし、どんなに傷ついていたとしても、優しく触れていることで、少しずつ固まった気持ちに変化が現れるものである。

よって、ヘルパーはいついかなる時も、利用者の心を受け止めるこころがけをすることが重要だ。はねつけたり、聞き流したりするのではなく、そんなことがあったのかと受け止めることがヘルパーの優しさだと言える。

相手の話を聞き続けることは根気がいることであり、「何で自分ばかり」と考えたり、「この人苦手だな」と不満を感じることもあるだろう。そういった不満を乗り越えるためには、気持ちの切り替えが重要だ。仕事だからと割り切るようにして、利用者の家を出た瞬間、「任務完了」という気持ちで自分に戻る習慣をつけよう。

利用者の人生を背負うのは、ホームヘルパーの仕事ではない。あくまでも明日も生きていこうかな、頑張って生きようと思ってもらえることがホームヘルパーの役目なのだ。訪問中は、そう長い時間過ごすわけではないため、数時間だけ、その人の心と気持ちに寄り添い、笑顔で接するよう努めよう。
(関連参考Link:http://homehelper-mezasu.com